この夏、フランスを訪れました。いつもご愛顧いただいている皆様にはお時間をいただき誠にありがとうございました。
観光だけでなく、パリのアパートに滞在し、スーパーで買い物をしたり、料理や洗濯をしたり。「旅行」というより、少しだけ現地で暮らすような時間を過ごしました。

前編では、実際に訪れて感じた夏の暑さや食事、レストランでの過ごし方などについて書きました。

後編では、もう少し「暮らし」に目を向けてみたいと思います。
フランスの人たちのゆったりとした時間の使い方や、パリのアパートで実際に暮らして気づいた住まいの違い。
そして海外で暮らしてみたからこそ改めて見えてきた、「日本の家って、実はすごい!」と感じたことについて書いてみたいと思います。
パリの住まいを見て、整理収納の可能性を感じた

仕事柄、やはり一番気になったのが住まいです。
「フランスの人は片付けも上手そうだし、整理収納の仕事はあまり必要ないのでは?」
と思っていました。
ところが実際にアパートで暮らしてみると、考えが変わりました。
特にパリ市内は歴史ある建物が多く、洗面スペースや収納はとてもコンパクトです。


限られた空間に、
「何をどこに置くか」
「どうすれば使いやすくなるか」
「狭い場所をどう有効活用するか」
という点では、日本で培ってきた整理収納の考え方がかなり役立つのではないかと感じました。
限られた空間を使いやすくする。
日本の小さな住まいの中で発達してきた収納の知恵は、海外でも意外と活かせるのかもしれません。
そして改めて思った。「日本の水回りってすごい!」
海外へ行くたびに思うのですが、今回も改めて感じました。
日本のトイレ、お風呂、洗面は本当によくできています。
歴史あるオペラ・ガルニエでも、最後に泊まった5つ星ホテルでも、トイレはとてもシンプル。
便座はもちろん冷たい(笑)。

さらに私は、トイレのすぐ横に浴槽やシャワーがあるスタイルに、最後までなかなか慣れませんでした。

シャワーを使うたびに床を濡らしてしまい、一度は思い切り滑って転んでしまったほどです。

最初に泊まったホテルでは、トイレとシャワーは同じスペースでも、洗面だけが独立していました。
これは使いやすい。
日本では当たり前のように、
「トイレ」
「洗面」
「浴室」
それぞれの役割を考え、限られたスペースの中でも機能的に分けています。
さらに温水洗浄便座があり、浴室では水濡れを気にせずシャワーを使える。
毎日使う場所だからこそ、日本の住宅設備の細やかな工夫はすごいものだと改めて思いました。

わたしが日本的だと思ったこちらのお部屋、コンパクトだけどベッド下はスーツケースが入る仕組み。
クローゼットもドアなしで吊しやすかったです。
ただ、トイレ浴室の照明がクラブのネオンぽくて面白かったです笑
「玄関で靴を脱ぐ」ことも、日本の素晴らしい仕組み

もうひとつ、日本へ帰ってきて「やっぱりいいな」と思ったのが玄関です。
各滞在先ではスリッパを用意していたのですが、毎回、
「他のお客さんは靴は脱いでいないのだろうか?」
と迷いました。
日本の玄関には、外と家の中を分ける明確な境界があります。
日本の欧米式ホテルも大体は入口すぐのクローゼットにスリッパがあるからここで脱げばいいのかな、と理解しています。
靴を脱ぐから、外の汚れを家の奥まで持ち込まずに済みます。
しかも玄関、廊下、洗面、トイレ、浴室など、それぞれに役割を持たせて空間を分けています。
海外の住まいを体験したことで、日本の家は単に「狭い」のではなく、限られた面積の中にたくさんの機能を詰め込んでいることにも気づきました。
とはいえ、フランスのホテル、外装も内装もとっても素敵で胸がときめきました。


ピンクを大人上品に使っていて、すごく素敵。


シャンパンやパンオショコラを無料で提供してくれるムッシュ。
おかげで気分良く打ち合わせがはかどりました笑
旅に出ると、自分の「当たり前」が見えてくる
24年前にフランスを訪れたとき、クロワッサンを食べたときの衝撃を今でも覚えています。
今回ももちろんおいしかったのですが、昔ほどの衝撃はありませんでした。
もしかすると、フランスのクロワッサンが変わったのではなく、日本のパンや洋菓子のレベルが、この24年間でとても高くなったのかもしれません。

海外へ行くと、その国の素晴らしいところにたくさん出会います。
でも同時に、普段何気なく使っている日本の家やサービス、食文化が、実はものすごくよく考えられていることにも気づきます。
フランスで私が好きだったのは、ゆっくり歩き、会話をしながら食事をして、急がずに人を待つ時間。

日本に帰ってきて改めてありがたいと思ったのは、機能的な住まい、水回り、清潔な玄関、脂質の少ないお食事。
どちらが優れているという話ではなく、それぞれの土地で長い時間をかけて作られてきた「快適な暮らし方」があるのだと思います。
そして私は、ホテルだけでなくアパートに滞在し、スーパーへ行き、料理をし、洗濯をしてみたことで、それをより深く感じることができました。
観光地を見る旅ももちろん楽しい。
でも、その土地でほんの少し「暮らしてみる旅」は、いつもの自分の暮らしを見つめ直すきっかけにもなりました。


フランスから持ち帰ったのは、お土産だけではありません。
少しゆっくり歩くこと。
待つ時間を楽しむこと。
好きなものを少しずつ味わうこと。

そして、日本の暮らしの良いところも、当たり前と思わず大切にすること。
そんなことを、これからの自分の暮らしや人生に取り入れていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。


